今回は初心者サーファーの永遠のテーマ(?)である、「短いサーフボード」に乗りたくなってしまう気持ちと、その弊害を考えてみます。
初心者サーファーは短いサーフボードに憧れる
「サーフィン」と聞いて思い浮かべるイメージはなんでしょうか?
短いサーフボード「ショートボード」で波の上を自在に駆け抜けるようなサーフィンでしょうか。
長いサーフボード「ロングボード」でゆったりと波乗りをするサーフィンでしょうか。
どちらも同じサーフィンですが、サーフィンを始めたばかりのときは、「ショートボード」のサーフィンに憧れがちです。
私もそうでした。
単純に「ショートボード」で技をバシバシ決めて、波しぶきをあげて、細かな動きでスピード感溢れるサーフィンがカッコいい!やってみたい!
そう思っていました。
そう思う事自体は全く悪いことではありません。
こうなりたい!カッコいいサーフィンをしたい!という思いがきっかけとなり、自分自身を動かすのですから。
短いサーフボードでカッコいいサーフィンをしたい、という純粋な気持ちはとても大事です。
憧れのサーフィンと実際のサーフィンの違い
カッコいいサーフィンがしたいという気持ちは大事です。
でも、そこに到達するにはどんな手順を踏む必要があるのか。憧れのイメージと実際に自分がサーフィンをするイメージのギャップを埋めていく必要があります。
サーフィンを始めたばかりの頃は、波の上に立つことすら難しいです。
サーフボードを思うように動かすことは、ずっとずっと先のことになるでしょう。
年齢が若くて、毎日のように海に通えるような環境であれば、どんどんサーフィンが上達すると思いますが、実際のところは週末に1回いけるかどうか、といった場合が多いのではないでしょうか。
サーフィン初心者の実例
私を例にすると、サーフィンを始めたのは、30歳になる手前。サーフィンに通える頻度は土日のどちらかです。
運動神経は良いか悪いかでいえば、悪いほう。身体は硬いし、スペックで考えればサーフィンには向いていません。
でも、サーフィンが好きなんです…!
私は初心者用のショートボードを購入して、2本目はさらに短いサーフボードを購入。
そして3本目で現在乗っているサーフボードはミッドレングスというロングボードほどではないけれど、長めのサーフボードを使っています。
振り返れば。最初から長いサーフボードで練習していればよかったと思います。あの頃に戻れるのであれば、「絶対に長いサーフボードから始めなさい!」と自分に言うでしょう。
私は湘南のサーフィン体験に行ってみて、ロングボードをインストラクターの方に後ろから押してもらいつつ、1回目からサーフボードの上に立つことができました。
それはたまたまだったのですが、それが嬉しかったのと、そのときの爽快感からサーフィンの虜になりました。
そのときのインストラクターさんも、ショートボードに乗るのは難しいよ。最低ても1年はかかるよ。とおっしゃっていたので、ショートボードに乗ることは相当難しいという認識は持っていました。
でも初めて買ったサーフボードは初心者用とはいえ、短い6フィートのショートボードでした。
あの頃の気持ちを思い返してみると、、、
ショートボードが難しいということは理解している、でもショートボードに乗ってみたい。
難しいからこそ挑戦してみたい。
やっぱり短いサーフボードってカッコいい。
そして、自分はちょっとセンスがあって、思ったよりも上手に乗れるんじゃない?!
そんなことを考えていました。
でも、実際はセンスはないし、人よりも運動神経は悪いし、始める年齢も遅いし。理想と現実のギャップは大きかったです。
それでも毎週のように海に通っていると、サーフボードの上に立つ回数は増えていきました。
それが嬉しくて毎週のように海に通って、少しずつ上達していることを喜んでいました。
でも、今から考えると「サーフボードの上に立っているだけ」で、サーフィンにはなっていなかったです。
ショートボードの場合、サーフボードの浮力が少ないため、波に乗れる回数も少ないです。
さらに波に乗れたとしても、初心者の場合はすぐに失速して止まってしまいます。
波に乗れる回数は少ないし、波乗りしている時間も距離も少ない。
初心者がショートボードに乗るメリットはほぼありません。
私の場合、サーフボードの上に立っても不安定なので、無理やり体制を保とうとすることで、変な姿勢で乗る癖がついてしまいました。
この癖はあれから何年経過しても根本的には抜けておらず、ちょっと油断をするとすぐに悪い癖が出てきます。
こうして振り返ると、初心者が短いサーフボードに乗るって、本当に良いことがないですね。
※もちろん若い方、海に通う頻度が高い方、才能ある方であれば、この限りではありませんが、やっぱり一般サーファーがこの条件を満たすのは難しいかなと
初心者サーファーにおすすめするサーフボード
初心者で短いサーフボードに乗ることは、ほとんどメリットがないことはご理解いただけたのではないかと思います。
では、初心者におすすめのサーフボードはどんなものでしょうか。
短いサーフボードがよくないのであれば、とっても長いサーフボード?
ロングボードは初めてのサーフィン体験には最適です。
まるで小さいボートのように浮力があるので、ちょっとした波でもテイクオフすることができて、簡単に立つことができます。
サーフィンを「体験する」にはロングボードが適しています。
でも、本格的にロングボードに乗ろうと思うと大変なことも多いです。
ロングボードの大きさ。3メートル近い長さがあるため、持ち運ぶのも大変です。普通のクルマには積めません。
その長さゆえにコントロールすることが難しいです。
コントロール不能の大きなサーフボードが人に当たってしまったら、重大な事故につながる可能性もあります。
そのため、ロングボードもおすすめしません。
初心者におすすめするのは「ミッドレングス(ファンボード)」です。
これはショートボードとロングボードの中間(ミッドレングス)のサーフボードです。
長さは2.1メートルくらい。ちょっと重いですが、普通車であれば余裕で積み込みできます。
浮力が十分にあって、テイクオフのスピードも早く、ショートボードと比べて波に乗れる回数が激増します。
私の感覚ですが、ショートボードの5倍は乗れるんではないでしょうか。
私がショートボードからミッドレングスに乗り換えてからしばらくたったとき、あいつは波に乗りすぎだ、とクレームが出てしまうほどに乗る回数が増えました(笑)
※波の乗りすぎにも注意して、波を分け合いながら楽しみましょう
波に乗る回数だけではなく、波に乗っている距離と時間も激増します。
ミッドレングスの場合は安定性があるので、ただサーフボードの上に立っているだけでも、波の力を受け取ってスピードが出ます。
そのため、沖から岸ギリギリまで、非常に長い距離を波乗りすることができます。
波に乗る回数と距離は多すぎて困ることはありません!(乗りすぎ注意ですが…)
サーフィンの上達は、どれだけ波の乗ったかが重要です。
それはなせか?
サーフィンの練習は波に乗るしかないからです。
どれだけ陸上でトレーニングしても実際の波乗り1本で得られる経験には敵いません。
サーフィンは自然の波に乗るため、毎回条件が変わります。
1つでも多くの波に乗ることが経験、スキルとして積み上がっていくため、波に乗る回数と距離が非常に重要です。
まとめ
初心者サーファーに自信を持っておすすめするのはミッドレングス(ファンボード)です。
短いサーフボードを使って、必死にパドリングして、なんとか波に乗っても、すぐに失速して波乗りが終わってしまう。
それよりも、長いサーフボードで、何度も波に乗って、スイスイと沖から岸までサーフィンする。
成長が早いのはミッドレングス(ファンボード)です。
私ももっと早く乗っておけばよかった…。
でも、この内容を読んでも、それでもショートボードに乗りたい。
自分は大丈夫な気がする。
とにかく短くてカッコいいサーフボードに乗りたいんだ。
きっとそう思う方は多いでしょう。
頭ではわかっていても、最終的にはサーフィンしたい気持ちが大事ですし。
サーフィンを長く楽しみたい!そんな方には自信を持ってミッドレングス(ファンボード)をおすすめします!
ぜひご検討くださいませ。